ある調査では、高齢者の80%以上が死ぬときはピンピンコロリと死にたいと思っているそうです。でもご推察のようにそうはいきません。病気になったり、けがをしたり、ただ年齢を重ねていくだけでも歩くのが遅くなり、どこか具合が悪くなり、生活動作能力が徐々に低下してきます。そして少しずつ人の世話になっていきます。いつかトイレに行けなくなり、オムツが必要になり、誰かに下の世話をお願いしなければならなくなるかもしれません。「初めてオムツを使わなければならなくなったこと」、「人に下の世話をしてもらうこと」を想像してみてください。相当な覚悟が必要です。皆さんその覚悟はできていますか?
本書では高齢化に向かって知っておいた方が良いこと、覚悟しなければならないこと、どこで、どのように最期を迎えるか、早めに考えて行動していくための心構えと準備をお話します。満足度の高い人生と人生の最期を迎えるための参考になればと思います。
医療法人社団 三喜会 理事長
鶴巻温泉病院 名誉院長
横浜新緑総合病院 院長
日本介護医療院協会会長

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