鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
1.100歳のお祝い
足湯があるウッドデッキは、本館と南館の連絡通路になっています。そこを通りかかった時に、素敵なシーンに遭遇しました。金の帽子と赤いドレスをまとい、そばにはケーキが。そしてウッドデッキの向こう側にはご家族の笑顔・・。
介護医療院に入所しているAさんが100歳の誕生日を迎え、ご家族がお祝い服と記念品を持ってお祝いに来てくださいました。コロナ禍の体制で直接そばで会うことはかないませんでしたが、ガラス越しでお祝いすることができました。あたたかい日差しとご家族の愛情に包まれたAさんの姿は、私にも幸せな気持ちを届けてくださいました。対応していたスタッフは「部長に見つかった!」なんてしきりに汗かいていましたが(コロナ禍で怒られると思ったらしい(-.-))、こんな素敵な時間を作ってくれるみんなのことを誇らしく思います。
ちなみに、院内にはAさんを除いて100歳代の方がほかに2名いらっしゃいます。これからもお元気で長生きしてくださることを願います。
100歳のお祝いを「百寿(ももじゅ・ひゃくじゅじゅ)」、あるいは100年が一世紀ということとから「紀寿(きじゅ)」と呼びます。ケーキは職員がタオルで作った「タオルケーキ」。すごいっ!
ガラス越しでのお祝いでしたが、ご家族の笑顔と涙に胸が熱くなりました。
※患者様(ご家族様)には写真公開の同意と許可を事前に得ております。
2.福祉用具講習会
院内には多くの福祉用具があります。福祉用具は、利用する人(患者さん・入所者さん)の自立の可能性を高める、介助する側(職員)の負担を軽減する、より安全な環境を作る等のメリットがあります。病棟においては、'これがないと絶対に困る'というものもあれば、'使いこなせていないかも・・'というものも実際あります。患者さん・入所者さんの安全を保ち、かつ移乗時の職員の負担を軽減する、さらに費用対効果を再考するという目的で、あらためて福祉用具を見直すことにしました。
デモンストレーションの対象は、介助量の多い療養病棟の係長に限定し、いくつかの福祉用具を体験しました。市場には多くの種類の福祉用具があり、一見便利そうに見えてもなかなかなじまないものもあります。安全・安楽・使いやすいをキーワードに選定していく予定です。
・ターンテーブル: ベッド・車いす、便座・車いす間等の移乗時に、足部の回転を補助する回転板。「これ使ってみたい!」と人気。
・フレックスボード:アコーディオンのような形状が移乗時の姿勢にぴったりフィットし、持ち上げることなく角度のある車いすへの移乗ができました。
3.院内で見つけた小さい秋!
秋のお彼岸も過ぎ、病棟や院内も秋の気配が漂っています。病院のコスモス祭は今年も中止になってしまいましたが、その代わりに「院内で見つけた小さい秋」をお届けしますね。
看護部では少しずつ研修再開に向けて準備を始めています。秋を感じながら、その日を待っています。
緩和ケア病棟の秋
療養病棟の秋
大浴場の秋。入り口に飾ってあるのはイチョウです。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
介護福祉士大活躍! その① ワクチン集団接種ボランティアに参加
秦野市では、新型コロナワクチン集団接種が6月から始まっています。市内における集団接種会場は1か所しかないため、多くの市民の方が集まってきます。医師、看護師はすでに手配されていましたが、外回りをお手伝いする人員はボランティア頼みでした。
いつくかの'つて'を伝って、神奈川県介護福祉士会湘南支部活動の一環として、当院にそのお話しが回ってきました。真っ先に参加してくれたのは小玉介護科長!その後、係長、副主任、一般スタッフが次々と手上げをしてくれて、1人で何回も協力いただいている人もいます。自分の時間を使って地域のお手伝いをするみんなのことを、とてもとても誇らしく思います。
複数回参加してくれている教育担当の富樫介護係長からのコメントを紹介しますね。
----介護福祉士として地域で生活されている高齢者の方々に、少しでもお役にたてることがあるならと思い参加しました。実際、車から車イスへの乗り降り、移動介助や歩行の付き添い、難聴や視覚障がい者へのサポート、安心・安全にワクチン接種が受けられるよう声かけや配慮など、介護福祉士が手伝えることはたくさんありました。
うれしかったことは、「親切にどうもね」「ありがとう。助かったよ」といった言葉をいただいたことです。これからもいろいろなところで活躍できる介護福祉士でありたいと思います。----
介護を必要とする方のために、これからも温かい力が発揮されることを期待いたします。
左から3人が当院の介護福祉士。
(教育担当の富樫介護係長は一番左)
安心できる乗り心地であるように介助します。
ちょうどフジテレビの取材が来ていて、篠原介護係長が全国版で放映されました。
介護福祉士大活躍! その② 介護情報マガジンに登場!(の予定)
介護施設の取り組みや特徴を紹介している介護情報マガジン「care PERSON(ケア パーソン)」の取材を受けました。
対象は介護医療院になるため、所属する2人の介護福祉士に協力をお願いしました。施設の取材が多い記者の方にとっては、当院で実施している介護職のラダー教育や研修が珍しかったようで、たくさんの質問がありました。(介護職の教育は本当に充実していて、この教育に魅力を感じて入職してくれる介護職も多くいます。その研修については、神奈川県に再度緊急事態宣言が発令された7月以降は見合わせ中です。)
撮影はスムーズに進み、真摯に対応する姿や介護への思い、まぶしい笑顔、「何かポーズを!」という要求にもさっと対応できる様子に'素敵~'と思わずつぶやいていました(笑)冊子の完成が楽しみです。
介護の未来を担う人たちに、介護の仕事の素晴らしさややりがい等を伝え、未来に希望を与えたいという意図の情報誌です。
撮影はさくさく進みました。。
「はい、ポーズ!」のお願いに、こんな感じでかわいく応えてくれました。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
1.梅雨明けの日の空
7月16日に関東甲信の梅雨明けが発表されました。平年(7月19日ごろ)より3日早く、昨年(8月1日ごろ)より16日早い梅雨明けということです。そして、この夏は猛暑になることが予測されています。まだまだマスク着用も必要な状況が続き暑さとの戦いになりますが、休息、睡眠、栄養、水分等を上手にとって、働く皆さんが元気でいてくれることを願います。
その日の帰り道、幻想的な空に出会いました。皆さんにもお届けしますー(ハート)
この時期の夕暮れは、時に幻想的です。
病院から歩いて3分の鶴巻温泉駅。
こじんまりした小さな駅ですが、こうやって見ると風情がありますね。
2.ケアリンプログラム・基礎編研修
セコム提携病院・神奈川ブロック合同研修会がオンラインで開催されました。内容は「ケアリンプログラム・基礎編」です。ケアリンプログラムとは、2012年から始まった「ケアの倫理研修」の名称を今年度「ケアリンプログラム」に変更したもので、3病院合わせて30名以上が参加しました。
稲葉先生から臨床倫理を院内で議論することの意味、倫理問題対処のステップ、代表的なガイドラインの紹介他、佐藤先生からは倫理カンファレンスのプロセスと4分割について講義を受けたあと、グループに分かれて2つの事例について検討しました。医師、看護師、介護福祉士、リハ、管理栄養士、薬剤師、事務等々、多職種がグループに振り分けられ、「コロナ禍の看取り間際の面会」、「同意を得る家族がいない認知症患者の手術」について、4分割表を用いながら検討しました。職場が異なる初対面のメンバーとのリモートディスカッションはうまくいくのかどうか不安はありましたが杞憂に終わり、充実したディスカッションになりました。
1例目は、単に面会できないという問題に終わるのではなく、本質にあるのは終末期の対応や意思決定支援を問われていること。2例目は、患者の'できない'ではなく今できていることに目を向けることの必要性や「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」等が示されました。稲葉先生の「(事例に)倫理委員会が介入したことで現場の医師を支えた」というコメントが印象的でした。医師も人であり、日々の中で迷い、葛藤している、・・そんな当たり前のことに寄り添うことを少し忘れていた自分がいました・・。
OT、介護福祉士、管理栄養士チーム
PT、看護師、医師チーム
MSW、看護師、薬剤師チーム
2つの事例の検討内容を全員で共有。
施設は異なれど、患者・家族と医療スタッフの「win・win」を考えました。