blog_5 ~スーパー病院を目指しましょう~
皆さん明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
先日私の担当患者さんが亡くなりました。6年間当院に入院なさっていたそうです。お別れのご挨拶に伺いました。さぞ悲嘆にくれていらっしゃるかと思いましたが、思いのほかご家族は毅然とされていました。私におっしゃることは「この病院に入院できて本当に良かった」「病院や職員の方々がすばらしくて、見舞いに来るのが楽しみだった」と病院と職員へのお褒めの言葉ばかりでした。
とても感動しました。職員の皆さんのおかげです。
でもこれで安心してはいけません。世の中は移り変わり、価値観も変わります。ちょっとした油断や慢心がとんでもないことを引き起こします。病院は絶えず医療とケアの質を高め、それを維持していかなければなりません。そこで最も大切なことは職員全員の質の向上です。つまりボトムアップが大切だということです。
人は良いところを見てくれるわけではなく、たった一人の質の悪い職員がいると、その悪い質で全体を評価します。そして一度失った信用を取り戻すのは大変です。ですから職員全員のボトムアップが大切なのです。当院は最先端の治療や技術の必要な手術を行う病院ではありません。ですからテレビにでてくるスーパードクターは必要ないのです。マイケルジャクソンみたいなスーパースターはいなくても職員みんなの力を合わせて総合力でスーパー病院にすることができます。スーパー病院では職員全員のレベルが高いので、その中で努力すると更に質の高い職員がでてきます。その人たちがまた皆を引っ張って言ってくれるので病院の質は上がり、質の維持ができます。
でも職員全体のボトムアップは個人の努力だけでは達成できません。システムの向上が必要です。そのために現在病棟や業務の標準化、診療のIT化を進めています。また気軽に相談したり、教えたり、注意したり、ダブルチェックしたりする人と人とのコミュニケーションも大切です。おせっかいをしあう職場が高い質を維持できるのです。
2010年は総合力でスーパー病院を目指しましょう。
鶴巻温泉病院は病院のマイケルジャクソンです。
病院長 鈴木 龍太