障がい者・難病リハビリ病棟の取り組みをお伝えします
障がい者・難病リハビリ病棟では、重度の障がい者や、進行期の難病、特に神経難病の患者さまに、医療・看護・介護・リハビリテーションを通して、多職種で、その人らしく生きるためのお手伝いをしています。在宅療養中の方には在宅サポート入院(レスパイト入院)をご利用いただいております。
退院後も安心して栄養ケアを続けていくために ~栄養情報提供書の紹介~
当院では退院後も個々にあった栄養ケアが続けられるように様々な取り組みを行っています。今回はその一例として、栄養情報提供書を紹介させていただきます。
栄養情報提供書とは、主に「かむ」・「飲み込む」力が弱くなった方や糖尿病などの生活習慣病がある方、食事が進まず退院後も食事の工夫が必要な方などを対象に作成し、退院時に患者様・ご家族にお渡ししているものです。栄養情報提供書には食事の量や形態・水分のとろみの有無、実際に摂取していた量、体重の変化などの栄養ケアの経過を記載しています。栄養情報提供書を退院先の管理栄養士や在宅ケアを担当するケアマネジャーに渡すことにより、入院中の栄養ケアに関わる情報を円滑に共有することができます。
当院の栄養情報提供書は、食事形態などの写真を載せてイメージしやすいように工夫しています。退院後も患者様・ご家族が安心して生活を送れるように栄養情報提供書を通して支援を行っていきたいと思います。
食べる楽しみの支援 ~おいしい・また食べたい~
障がい者・難病病棟には病気の進行により、お口から食べることが難しくなる患者様がいます。そのため言語聴覚士は少しでも長く食べる楽しみを感じて頂けるよう支援しています。
言語聴覚士が行う支援の一つとして、誕生日などの特別な日に主治医の許可の下、やわらかく調理された介護食品や飲み込みやすく加工した嗜好品を、誤嚥・窒息に配慮した設定で味わって頂くことがあります。
下の写真は飲み込むことが難しい患者様でも食べられるように加工した年越しそば(とろろそば)です。リハビリの時間に作業療法士と管理栄養士が協力して、麺から作りました(うどんに見えるかもしれませんが・・・)。
今後も患者様が食べる楽しみを感じてもらえるよう支援していきたいと思います。
年越しそば (とろろそば)
お出かけ図書館 ~そうだ、旅に出よう~
当病棟には「お出かけ図書館」という名の図書コーナーがあります。患者様の外出のきっかけになればと思い、普通の観光雑誌だけではなく、車椅子で行けるバリアフリーの温泉旅行の本を並べています。
ロビーの一角に設置しており、時折患者様だけではなく面会にいらっしゃったご家族も読んでいる場面を見かけます。ご家族からは「こんな本があるなんて知らなかった。今度一緒に出掛けてみようかな」とのこと。
長く入院している患者様は外出することを諦めてしまう方も大勢います。最近はバリアフリーで行ける旅行も増えているので、この図書コーナーをきっかけに患者様の外出を支援していきたいと思います。
[お出かけ図書館]
特殊疾患病棟『笑顔の輪』
先日、2階西病棟のスタッフと病棟会で、みんなの"ありたい姿"を形にしました。
グループに分かれて、それぞれどんな病棟にしたいのか、こむぎこ粘土を使って創作し、タイトルをつけて発表しあいました。
「患者と共に笑顔でありつづける」
大きな画面で上映会を楽しもう!!
2階西病棟では、月に1回プロジェクターを使用した映画の上映会や高校野球の上映会を行っています。寝たきりの方は自室でTVが見えにくく好きな番組や映画を観ることができません。そのため、患者様の楽しみや離床機会を増やすために定期的にプロジェクターを使用した上映会を開催しています。
今後も、花火大会やオリンピックなど幅広い世代の患者様や家族が楽しめる上映会を行っていきたいと思います。
ザ・ドリフターズの「8時だヨ!全員集合!」の上映風景
完成までもう一息!!~趣味活動での作品づくり~
レクリエーションセクションでは,患者さんの意欲向上や生きがいの再発見を支援することを目的に患者さんのニーズや心身の状況に合わせたレクリエーション活動を企画実施しています.
午前中実施している「趣味活動」ではネット手芸,アイロンビーズ,書道,パソコン等を行っています.
ティッシュカバーを作製しているAさんは,いつも開始から終了時間まで集中して作っています.完成後はご自分のお部屋で使用するそうです.これからも,患者さんのニーズに合わせた活動を提供していきます.
[実際にネット手芸で作製途中のティッシュケースカバー]